円珠院に「人魚干物」の書き付けとともに受け継がれてきた人魚のミイラ。
今回持ち主である柆田宏善住職の承諾を得て、倉敷芸術科学大学・岡山民族学会の木下浩理事長・倉敷市立自然史博物館協力のもと、調査が行われました。
結果はただの作り物。
ただ、詳しく調べるとこの人魚のミイラはとても功名に作られている事が分かったんです。
調査で分かったCT画像も交えて詳しくお伝えしますね!!
人魚のミイラは作り物だった!!素材は何で出来てる!?
画像引用:ORICON NEWS
人魚のミイラの調査では表面観察、X線撮影、CT撮影を使用して検査するほか、ありとあらゆる方法での検査が行われました。
そこで色々な調査で分かったのがミイラは作り物であるという事。
CT画像がこちら
画像引用:ORICON NEWS
これだけ見るとなんだか本物の人間のようにも見えますが顎のあたりが真っ白に写っていたり、胸のあたりもなっだか不自然ですよね。
では、素材はどのような物で作られているのか、詳しくお話しますね。
魚体部分はニベ科の魚類の皮!!
人魚の足にあたる魚体部分は、ニベ科の魚の皮が使われていることが判明しました。
ニベ科の代表的な魚はニベやクログチという魚です。
ニベ
クログチ
画像引用:市場魚介類図鑑
上半身は布や紙で出来ている!!
上半身は布や紙、綿などの詰め物と漆喰様を土台にして、フグの皮も使用されていることが分かりました。
体毛もあり、それは動物の毛である事が分かっています。
画像引用:ORICON NEWS
手の位置とか、口が開いている所も見るとちょっと怖い感じもしますよね。
この画像を見ると、人の皮膚と言うよりは紙のような物を貼りつけた感じが分かるような気がします。
科学調査で分かったこと
様々な検査で分かった事を簡単にまとめると
(1)表面観察 ・頭部、眉、口の周辺に体毛がある 。
・眼窩(がんか)は正面を向く。
・耳介(外耳)があり外耳道が開口する、鼻および鼻孔がある。
・歯はすべて円錐形で先端が後方(口の中側)にややカーブしている。肉食性の魚類の顎で、種類は明らかではない。
・両腕があり、指は5本、平爪を有する。
・下半身は、背ビレ、腹ビレ、臀(しり)ビレ、尾ビレを有し、ウロコに覆われる。 ・体表に砂や炭の粉を糊状(のりじょう)のもので溶いた塗料が塗られている。(2)X線、 X線CT撮影による観察
・木や金属の心材は無く、内部は布、紙、綿などからなる 。
・腕、肩および首から頬にかけてフグ科魚類の皮が使われている 。
・背ビレ、尻ビレ、腹ビレの鰭状(ひじょう)および鰭を支える担鰭骨(たんきこつ)、尾部骨格を確認することができた。
・首の奥と下半身に金属製の針がある。(3)走査電子顕微鏡による観察
・体毛には哺乳類の毛で、毛小皮(キューティクル)が観察できる 。
・爪は動物の角質が使われている。(4)炭素14年代測定
・剥離したウロコの年代は1800年代後半の可能性が高い。(5)蛍光X線分析
・特別な防腐処理は施されていない。(6)DNA分析
・DNAは検出できなかった。
引用:Yahoo!ニュース
爪に動物の角皮が使われていたり、歯の部分は肉食の魚の歯が使われていたりかなり手の込んだ作りであることが分かりますね。
人魚のミイラは作り物!!一体誰が何のために??
1800年代に作られた可能性が高く、防腐処理はしていないようです。
円珠院で保管されていたとの事ですが、どういった経緯で寺に来たのは不明です。
手の込んだ作りで本物のミイラに見えますが、何の為に人魚のミイラを作ったのかは分かっておらず謎です…。
まとめ
ありとあらゆる化学の力を使って検証した結果、人魚のミイラは作り物である事が分かりました。
上半身は詰め物、魚体部分はニベ科の魚皮でできています。
防腐処理はしていないとの事ですが、見た目は本物のミイラですよね!!
本物だったら世紀の大発見なだけに、ほっとしたような、少し残念なような、複雑な気持ちですね…。
コメント